BROGLD MASTER 伊勢屋の非大人的アレコレ

おそらく、読んだ人の役には立たない内容ばかりです。

器−4

季節は桜を少し過ぎた春。



天気は穏やか。










都会から離れた、



美しい日本海の海岸線。








窓を開けると爽やかだが、



少し肌にまとわりつく海辺の空気...。








やや後方から射す太陽。



優しい海の色...。






















しかし...





















車の中は...






















眉間に皺を寄せたおっさん2人と、



寡黙なマスターE...。




















その雰囲気から開放されたいものの、



到着したくない憂鬱な運転...。





















でも...


なんだかんだ言って...。


































着いちゃったぁ〜っ!!!!








































受付で用を伝える。






























応接室に案内される。






























しばし待つ。






























課長さんと、あと3人やってくる。






























こちらは3人。即座に立ち上がり深く挨拶。






























先方は皆難しい表情。






























まず、マスターEが口火を切る。


それが役目。







常務を先方に紹介する。






常務が名刺交換。



















そして...なにより先に...


















常務の一言。


「この度は、本当に申し訳ございません。」








3人合わせて深く深ぁ〜く頭を下げる。

(最近テレビでよくある光景のごとく)


























「...。」






























なかなか頭を上げられない...上げるタイミングが難しい...。






























課長さんが言う。


「とにかく頭を上げてください。」



























とりあえず立場上...






常務





支店長





マスターE









の順番でそうしようと思っていたら...




























常務より先に支店長が頭上げやがったーっ!







マスターEの心中...









なにしとんじゃ!
わりゃぁーっ!!!!


















支店長のおっさん。



気が付きもう一回頭下げてるし...。


























そんなこんなで、



とりあえず謝罪を終わらせ、席に座る一同。






























常務が再び謝罪を繰り返し...


座っているものの...


3人揃ってもう一度頭を下げる...。

(コレはある意味常識的なこと)




























すると課長さん...。












1ヶ月遅れる...。


もうどうしようもないんでしょ...。







そしたら建設的な話しをしませんか。









っと極めて普通におっしゃいました。






























ボロクソに怒られても仕方ないミス。


損害賠償を持ち出されてもおかしくない不手際。



















恐縮しまくっていたマスターE等3人。
























「...。」









































もう...




言葉がありませんでした...。

























販売価格の値引きも一切要求しません...。






















常務も言葉を失っていました...。






































課長さんは...








本当にカッコイイ人でした...。






















男の...いや...人...の美学...。

















大きさだけでない...















温かい器がそこにありました...。






マスターE...



本気で心で泣きました...。







人として...




いい経験をさせてもらいました...。





















実はマスターE。
その課長さんと普段からいわゆる...

『いい人間関係』

を築いていました。
それは得意先だからではなくて、
自然にそうなった感じでした...。

ですが今回のミスは、
そんなこととは別次元の大問題っ!

自らの立場もあったはずなのに...。



人間力、『器』はその人が大変な時にこそ現れる物です。



素晴らしい人でした...。





そしてちょっと...
マスターEも...

自分をちょっと褒めましたっ!





『器』 完