臨場感
もう10年以上前からかな?
プロ野球に関心が無くなった。
一応、贔屓で、応援している球団もあったのだけど納得いかないことがあって冷めた。
故障して実力を出せない選手がいた。
球団と監督はその選手を欠場させないばかりか、その選手の個人記録のために試合に出し続けた。
4番バッターなのにホームランは期待できない。
両手でバットが振れず、ほぼ片手でスイングすることもある。
また9回攻撃中、その選手が2塁に進塁した時、常識では足の速い選手を代走を送り交代させる場面でもそのまま出場させていた。
これって、何?
プロ野球って、チームの勝利以上に個人記録の方が大事なのか?
その上、アナウンサーや解説者は、
「これぞ! 男の中の男 ○○選手っ!!!!」
なんて言ってる。呆れて言葉が出ない。
球団や監督が決断しにくいのはわかる気もするが、本当に『男だっ!!』と言うなら、
本人から出場を辞退するのがスポーツ選手としての美徳ではないか?
それに実力で手にした記録なら価値があるけど、チームの勝利を蔑ろにし、お情けで手にした記録に何の価値があるのか?
それなのに『男の中の男』とメディアが持ち上げる。
驚くレベルの安っぽい浪花節である。
とにかくそれ以来プロ野球は見なくなった。
ところで昨夜、仕事の帰りにカーナビの画面で野球中継が映っていた。
助手席にはバイトの女子大生。
運転中はその子と話していたし、TVの音声は小さかったのでそのまま放っておいた。
やがてバイト生をマンションに送り届け、車には私一人。
TVの音声を大きくし、番組を変えようかなと思ったものの...
「あれっ! 何か違和感がある。」
昔見ていた時と、野球中継が...何か...違う。
そう思っていたその時、バッターがホームランを打った。
「カァッァーンッ!!」
すごくクリアで大きくその音は響いた。
ああっ!そうか。
コロナ禍で観客が少ない上に、トランペットや太鼓がない。大きな声で応援するのも建前とは言え禁止。
そのせいで、ボールを打つ音、ボールがミットに入った音、選手の声。
それらがとてもよく聞こえる。
スポーツ観戦における、その臨場感。
それが『プレイ中の音』や『選手の声』が聞こえることでしっかり伝わってくる。
応援の盛り上がりも、プロスポーツの華ではあるが、
これはこれでなかなかいいものだなと思った。個人的にはこっちの方が好きだ。
とは言え、もうプロ野球には興味がないことに変わりはない。