ゴメンね-4
マスターEの前に再び表れた、
大宰府の女の子。
まあ、同じテニスサークルにいるんだから、
再会しても何の不思議も無いのだけれど...。
でも...
何となくマスターEに向けられる視線が...
ちょっと普通より強いと感じていました。
そしてその娘。
はっきり言って...
テニスの才能は...
かなり少ないっ...。
マスターEはかなりの人にテニスを教えてきましたが...
才能の無さは...
一番だったかもしれません...。
なんと...
まっちゃんよりも...ですっ...!
ただ、職業病とでも言うのでしょうか。
それ故に...
丁寧に...丁寧に...
面倒を見ました。
ある意味優秀なテニスコーチとしての...
自分への挑戦でしたっ!!!!
しかし...
結果はボロボロ...。
ただ、最後まで諦めずに教えたこともあって、
その娘は嬉しそうでした。
するとその視線は...
更に熱気を帯びていました。
「...。」
『ちょっ...ちょっとまずいかも...。」
っと言うのも。
残念ながら、
マスターE...
まったくその娘のことを恋愛対象として見ることは出来ません。
小柄で愛嬌もあり、
大人しそうで...
一般的に見て、
『かわいい』
っと言っても問題のない女の子だったのですが...
残念ながらマスターEの好みからは遠かったのです。
そして練習が終わり、
皆でファミレスで食事。
やがて解散。
何台かの車で、
それぞれの方面へ帰る人を分担して送ります。
するとその娘。
マスターEの前に進み出てきました。
その後ろで何人かの女の子達がその娘にエールを送っています。
実はその娘。
そのサークルには結構以前から参加していて、
友人も多くいました。
どうやら...
マスターEに抱いた乙女心を既に友人に打ち明けたような雰囲気です。
「...。」
こうなると...
ひじょーに厄介ですっ!!!!
無下に断れないし、
かといって...
優しくも出来ないっ!
だけど...
とにかくその場は受け入れるしかありません。
仕方なく車に乗せ、
その娘を自宅まで送ることになりました。
車の中では、
マスターEは積極的に話しませんでした。
でも、一週間前とは違い
その娘は活発な女の子になっていました。
つづく...