ちょっと甘い-3
初めてのキスは、
長く続かなかった...。
胸の鼓動があまりに激しくて、
息が苦しい。
でも、
溢れる感情が抑えきれない。
だから何度も何度もキスを繰り返す。
やがて時間を忘れた頃、
やっと目を見つめ合うことができた。
最初はこわばっていたTNちゃんの顔。
マスターEは『ハッ』と気がつき笑顔をつくる。
TNちゃんの表情もだんだん柔らかくなってゆく。
でも...
その後でTNちゃんは大粒の涙を何度も落とした。
その度にまた、
催眠術にかかったように、
キスを繰り返す...。
さっきまで甘かったキスが、
少ししょっぱくなってた...。
夏の午後、
熱気と心臓の鼓動。
汗をかいたポロシャツ。
全然気の利いたものじゃない、
でも、
2人の大事な空間は、
誰にも邪魔されなかった...。
そのままベッドに倒れこむ2人。
TNちゃんはマスターEの左で腕枕。
天井を見ながら大きく深呼吸。
右手を胸に当てる。
まだ鼓動がおさまっていない。
するとTNちゃんは、
マスターEの右手を自分の胸に運ぶ。
その手はTNちゃんの激しい鼓動を、
心地よく感じていた。
TNちゃんは『ゴロンッ』と身体を回し、
マスターEの胸に耳をあてる。
そして、
「すごくドキドキしてる...。」
と言って嬉しそうに笑った。
「何がうれしいのん?」
「だって、こういうのに慣れてる人やったら嫌やもん。」
マスターE...
今でもそうだけど...
可愛い女の子には...
簡単にKOされる...。
もうちょっとつづく...