BROGLD MASTER 伊勢屋の非大人的アレコレ

おそらく、読んだ人の役には立たない内容ばかりです。

苦しみが長時間続く...

昨夜のブログに


車酔い

の話がありましたが、



今夜は、



船酔い


に関連するお話です。















飲食店のオーナーシェフという立場でありながら、


2夜連続で『タブー』とも言えることを書くなんて...


我ながら、



エエ根性してるやんけぇ、

ワレェ〜ッ!!!!






と思いますが、


まあ、このペース(毎日更新)だと、


いずれは書くでしょうから、


まぁ、『ヨゴレ』は一気に出してしまいましょう!














マスターE...16歳の夏でした。


その夏が過ぎ、秋になれば17歳。


高校2年生でした。




中学の友人達6人で鹿児島に遊びに行くことになりました。


期間は1週間。


メンバーの中の1人の祖父母の住居。


いわゆる『田舎』にお世話になるわけです。


だから、宿泊費は無料でした。





マスターE達は大阪に住んでいたので、


大阪南港からフェリーで向かいます。


マスターEと近い年代の人ならご存知でしょうが、



サン フラワー ♪
サン フラワー ♪
太陽に○○○れて〜 ♪(よく覚えてない)


という歌をテレビコマーシャルで聞いた人も多いでしょう。


その "サンフラワー" でした。





大阪湾 → 紀伊水道 → 四国沖 → 九州東岸沖 → 鹿児島港


と太平洋を、



ズドーンッ!


と航行します。







夕方18時、


大阪南港のカモメ埠頭を出航し、


翌朝9時頃に鹿児島港に到着の予定でした。


そう、約15時間。




紀伊水道を抜けるまで、


大阪湾は波もなく穏やか...


1万4千トンの大きなフェリーでしたから、


揺れの心配はしていませんでした。












でも、その日の海は、


普通じゃなかったのです。












夏の暑い日でした...。

















船内にあるロビーのような場所では、


その日行われていた


高校野球』の中継がテレビに映っていました。



対戦の一つは石川県代表の星陵高校でした。


すごい熱戦で延長18回までの試合だったのを覚えています。




まさにその夜でした。






その日の2〜3日前...。






西日本は大型台風の影響を受け、


雨と暴風にいくらかの被害もありました。




繰り返しますが、



2〜3日前



のことでした...。






だから平然としていたんですが、






甘かったーっ!!!!










東の海上に去ったとはいえ、



太平洋上は、



その台風の影響をモロに受けて、





めっちゃデッカイ波とうねりが残っていたのでした。










そして高校生だったマスターE達、


席は一番安い、


エコノミー席


船首に近い辺りに作られた、


上下に揺れ易く、波の当たる振動と音を受け易い...


簡易枕と毛布しかない...



雑魚寝の大部屋...。





もっとわかりやすく言うと...





貧乏人御用達の大部屋





だったのです。












大阪湾内ではまったくといっていい程揺れませんでしたが、


紀伊水道を出たら状況は一変しました。




もう揺れる揺れる...!













大阪湾と比べてどのくらい差があったかというと、




穏やかな顔していた『大魔神』が顔の前に腕を通過させ、

怒りの表情に変わった!!!!

レベルのギャップです。








ましてマスターEは船首のエコノミー席...。








大きな船とはいえ、大自然の前に、


どんぶらこっこ

といとも簡単に揺れます。






聞いた話では...


5〜8mの波であったとか...。
(本当のところは知らない)





大阪湾を出て、30分くらいで、


既に船酔いが始まりました...。






















まだ...14時間はあるのに...。























やがて胃の調子が悪くなり、


トイレに行くことになります。






んがっ!






トイレは船体の中央付近にありました。


5〜60mは先です。








マスターE...


頑張って歩きます...。








船は相変わらず大きく上下にシーソーのように揺れています。





船首が上に上がる時...


重力が大きくかかり、床にへばりつくようになります。


逆に下がる時...


ほぼ体が無重力状態にまで床が沈みます。



7〜8秒のインターバルでその繰り返しの中、


やっとの思いでトイレに到着。


胃をスッキリさせてエコノミー席に戻ろうとするのですが...





先程と同じ、


大きな重力と無重力を交互に受けます。






そして、戻ろうとしている途中で、



再び船酔いの洗礼が襲ってくるのです。











気分が悪いからトイレに行ったのに、


そこから戻る途中でまた具合が悪くなる...。






という、



地獄のリフレイン...。










もう、拷問に近いものがあります。









一緒に行った友人も、


一人を除き、後の全員が船酔いでした。







たまらなくなった私は、


「風に当たればいいかも...。」



と思い、甲板に出ました。




すると私と同じ事を考えたのでしょうか!



暗いだけの海しか見えないのに、


多数の人が甲板にいました。








しかし、夏の夜、


おまけに台風後の、『南から来る湿った空気』


潮風ということもあり、顔や服にべったりとした感触がありました。







全然気持ちよくない...でもエコノミーよりはずっとまし...。




というのが本音でした。

















はるか右には、四国らしき陸地の光が見えました。












先はまだまだ...。










でも降りることは不可能...。















あの頃...


あれほど途方に暮れたことはなかったです。

































結局その後も、マスターEは、


一度エコノミー席に荷物を取りに行った他は、




ずぅ〜っと甲板にいました。










酷いっ!



まったく酷い仕打ちでした...!












そして、空が明るくなってきた頃に、船内放送...。







大波の影響のため到着予定が大幅に遅れます。








何でも、4時間近く遅れてしまうとか...。













マスターE...



その時も(何度もあったからね...)、



神の存在を否定する気持ちになりました...。











何とか無事に鹿児島に到着しましたが、


マスターEはすでにボロボロ...。








さきが思い遣られました...


ホントに...。







苦しみが長時間続く...。





それが船酔いです...。