西陣のアトリエ
服飾デザイナーの藤本ゆかりさんと妹の綾子さんが上京区にアトリエを開かれたのは約7年前でした。
そこは西陣の町家を利用したもので、その趣が壊されていない場所です。壁や柱、そして梁に反射する光り(明り)のバランスが何とも優しく感じられ、それでも細部にまで凛とした空気が感じられるようなアトリエです。
藤本さんと私のお付き合いは縁蛸の開店時に始まりました。
とある私の知人が京町家の保存と有効活用のために動かれていたのですが、京都で学生時代を過ごした藤本さんの思いと一致し「西陣のアトリエ」は誕生しました。
私が縁蛸の看板やロゴのデザインをその知人に相談していたところ、藤本さんも好意で加わってっていただき、その結果、縁蛸のロゴが完成することになったのです。
こんなこと言うのも何ですが...他のタコヤキ店のロゴで縁蛸のロゴより良いものは見たことありません。というか、タコを題材にしたデザインでこれより優れたものは無いと確信しています。
そんな『縁蛸の宝』を好意でデザインしてもらったのです。
誇張無しで、今の縁蛸はこの方々無しでは存在していないと思っています。
ほんとにお世話になってばっかりで、友人と呼ぶにはちょっとあつかましいくらいです。
そして藤本さんの活躍は国内は勿論、海外でも高い評価を得ています。
いつしか、藤本(シスターズ)さんと『西陣のアトリエ』は私の自慢にもなっていました。
ところがその『西陣のアトリエ』が3月いっぱいで取り壊され、同時に藤本さんはパリで活動されることになったのです。
「さようなら『西陣のアトリエ』、そして藤本(シスターズ)さんありがとうございました。」
尚、『西陣のアトリエ』では3月26日まで作品展が開催されています。
興味がある方は是非足を運んでみてください。