蟹芝居
それはもう、信じ難い話でした!!
1ヶ月程前になります。松っちゃんと越前方面にドライブ。
山間部の雪道を抜け、海を見て...ただ車を走らせているだけですが、久しぶりの外出デートで気分をリフレッシュしました。
目的地は特に決めてなくて、小浜から敦賀、越前海岸と若狭湾を東北方面に進んでいました。やがてその名のとおり越前町に入ったところで、『越前蟹ミュージアム』なるものを発見したのです。
そこは、まぁ、その...想像したとおり『蟹に特化した展示館』なのですが...
標本や水槽に入った蟹や魚類、蟹漁についての歴史や資料など、まあそこそこ頑張って展示してるかなっと思いました。
正直なところ、建設費と維持管理費はいったい...大丈夫か?って思いましたけどね...。
そして展示物の中では最後から2つめくらいのものだったでしょうか、明らかに子供向けのもので
『蟹芝居』 なるものがあったのです。(あってしまったのです)
それは、『スタートボタン』を押すと自動的に始まる民話というか昔話というか、とにかく子供向けに作られた『紙芝居スタイル』のダジャレで名づけられた展示物でした。
特に時間が無かった訳でもないので、私たちはそれを見学したのですが、
信じられないくらいにツッコミたくなる、あんまりな話が平然と紹介されていたのでした。
簡単に筋を説明しますと...。
- おじいさん、おばあさん、そして若い娘の3人家族がいた。
- 砂浜で子供たちにいじめられていた蟹を、娘が助けてやった。
- それとほぼ同じ時間、森の中で蛇に食べられそうになっていた蛙を、おじいさんが助けてやった。
- 大蛇に化けた蛇が家族の家を夜中に襲う。
- 娘に助けられた蟹たちが蛇と戦う。
- 翌朝、切り刻まれた蛇とたくさんの蟹の死骸が家の周りに残っていた。
ということなんですが、既にツッコミたいところがあるんですが、ちょっと我慢して聞いてください。
3のところで、おじいさんが蛙を助ける場面、じつはこれがとんでもないんです。
蛇に食われそうになっていた蛙を助けようとしたおじいさんは、蛇に交渉します。
爺: 「なんとか助けてやってくれんかのう...。」
蛇: 「だめだ。」
爺: 「これ(持っていたもの、何かは覚えてない)をやるがどうじゃ。」
蛇: 「だめだ。」
爺: 「それなら、娘をお前の嫁にやろう。」
蛇: 「よし、わかった。それなら助けてやろう。」
正確なセリフではないものの、ざっとこんなものでした。それでは...一言。
蛙を助けるために娘を蛇の嫁にやるって、どういう思考回路しとんねんーっ!
自分の命が危なくて苦し紛れに約束してるのならまだしも、『蛙を助けるために娘を引き渡す』ってメチャクチャすぎるでしょ。
しかも蛇が娘を迎えに家族の家に行った時、爺は蛇に向かって、
「おまえになんか娘はやらん!」って言ってた。
結局、蛇もたくさんの蟹もみんな死んでしまってるのは、
全部、爺さんのあんたのせいやがな!
蛙が蛇に食われるのを、見なかった振りしてたら何の問題もなかった訳です。
だいたい、蛇が蛙を食べるのは食物連鎖からすると至極当たり前のことであって、蛇は何にも悪いことしてないのですよ。
それに、約束破ったのは爺さんで、蛇は被害者といって何等支障はありません。
蛇と言うだけで、悪者と決め付けるのは偏見ですよ!子供に対しても教育上悪いんじゃないですか?
しかもイントロの部分では『浦島太郎』パクッてるし...。
それに、越前蟹が何で砂浜にいてるねん。深い海にしか生息してない生き物って他の展示で説明してたくせに...。
これって、絶対子供が見てもツッコミ入れると思いますね〜。子供のことナメすぎてるとしか思えません。
こんなものでもきっと数百万円の制作費かかってるんでしょうね。
いや...それにしても...すごいものでした...。