ある男のつぶやき...
ストーリーはフィクションですが、登場人物の男性は実在しています。
誰かわかるかな?
繁華街とはいえない、とある場所にあるスナック。
スタッフはママ一人。
客は中年男性が一人。
2人の会話...。
男は昔話の繰り返し。
グチがいっぱいちりばめられている。
ママは笑顔で...
慣れた感じで適当にあわせる。
「ママ聞いてる?」
「もちろん聞いてるわよ。」
「じゃ。俺...俺がテレビに出てたのは?」
「知ってるわよ。有名人だもの。」
「ママも見たことある?」
「そうね...2回は見たわ。」
「ホント?」
「ホントよ。」
「それはありがとござんす。」
「何?その言い方。あなたの事知らない人はいないわよ。」
「えへへへっ!うれしい事いってくれるねぇ。俺が客だから?」
「関係ないわよ。」
「ところでさぁ...ママ。」
「なに?」
「俺、最近全然テレビに出なくなったんだよ。」
「うん...そうみたいね。」
「でさあ...たまに出たと思ったら...。」
「思ったら...?」
「なんか...笑い者っていうか...。」
「...。」
「ちょっとビミョ〜なキャラ扱いなんだよね...。」
「そ...そうなの...?」
「うん。まじめに話せば話すほど... "痛い奴" って...。」
「それは悔しいわね...。」
「...昔は結構その分野の "第一人者" としてカッコつけてたのにね...。」
「あら!今だってカッコいいわよ。」
「ふふふっ。無理しないでいいよママ...。」
「何よ急にそんなこと言って。」
「ママは俺の味方だよね...?」
「あたりまえじゃない。」
「じゃあ、 "グレイ" って知ってる?」
「もう、馬鹿にしないでよ。いくらオバさんでもそのくらいは知ってるわよ。ちょっと前に人気のあったグループでしょ。」
「...。やっぱりママもそうなんだな...。」
「えっ?どうして...?」
「"グレイ" って言ったら...こいつのことやろがぁ〜!!!!」
察しのいい人にはおわかりかと...
その男とは...
矢追純一 氏
でした。
おまけ