家族の顛末
ジャニーズ事務所のタレントのポスターが壁を覆いつくしている。
写真集と多くのグッズ。
それらに囲まれた部屋から出てきた娘は、
家族と一緒に夕食をとりはじめた。
父親はビールを飲んでいた。
テレビを見ながら。
その番組内容のせいか、
少々すすんでいる。
もうビンは5本めだ。
その時、娘が急に言い出す。
「キャーッ!ダルビッシューッ!ガンバッテーッ!」
そう、テレビ番組とは野球中継。
日本対台湾戦
父親は黙ってビールを飲んでいた。
しかし...
娘が再びダルビッシュ投手の応援を始めた時。
怒気を込めて言い放った。
それから娘と父親のバトルが始まった。
娘:「どこって?そんなんダルビッシュ君のいる日本に決まってるやん!」
父:「せやからなんで日本やねん。台湾代表を応援せんかいーっ!」
娘:「なんでやのん!別にどっち応援しようが私の勝手やんか!」
父:「勝手も何も...。オマエ台湾人とちゃうんかーっ!」
娘:「何言うてるんよ。そんなん関係ないやんか。アホらしい。」
父:「なにぃ〜っ!」
娘:「なんやのんっ!」
父:「オマエなんか娘やない。出て行けーっ!」
娘:「いーわよ。出て行くわ!私かって好きでこの家に生まれたんと違うんやからねっ!」
娘が立ち上がった。
そこに母親が、
母:「ちょっと止めなさいよ2人とも。落ち着きぃな。」
娘:「ええねん。前から出て行きたい思ててん。」
母:「せやから落ち着いてぇな。」
娘:「もういい加減うんざりしてるんよ。お母さんもそうやろ。」
母:「そうやろって...何言うてんのよ...。」
娘:「お母さんかて、お父さんのことうんざりしてるってことやんか!」
母:「そんなこと...。」
娘:「ほら。私決めたから。もう出て行く。荷物はそのうち取りに来るから。」
母:「そんなん、あんた今夜はどうするつもりやのん?」
娘:「ヤン・ミンの家に泊めてもらう。心配ない。」
母:「...。アンタ(父親)!何とか言いなさいよ!」
父:「なんも言うことなんかない。台湾を応援せん娘なんか出て行ったらええねん。」
母:「いい加減にしぃやーっ!!!!もうやってられへんっ!私も出て行くわっ!」
そう...
この家族は台湾人一家...。
日本人タレント大好きな娘のいる、よくある台湾人の一家。
きっとこんな家族の顛末が...
昨夜はあったに違いない...。
なぜ大阪弁なのかは...
疑問を持っちゃいけない...。
それが大人なのじゃ...。