BROGLD MASTER 伊勢屋の非大人的アレコレ

おそらく、読んだ人の役には立たない内容ばかりです。

今夜はどちらに

そう...店を開業する前...。


月に2〜3度東京に出張していた頃のこと...。





社会では大企業だけでなく、


中小の企業もインターネットの活用を模索していた頃だった。


私(マスターE)はまさにそういった企業の依頼を受け、


その企業にあったネット活用方法の提案をするのが仕事であった。





時には非常に興味深い顧客にも足を運んだ。

  • 青山にある某国の大使館
  • 永田町の某政党本部
  • 虎ノ門天下り先の団体事務所
  • 東京タワーの前にある某○○協会本部
  • 政治家の事務所
  • 代々木にある宗教団体本部
  • 某プロレス団体(「ダーッ!」)
  • 麻布にある広告代理店
  • 代々木にある音楽プロダクション
  • ...etc


今思えば、なかなか面白い経験かもしれない...。









ところで、その頃の私は、


今では皆さんが想像もできないほど...


いわゆるビジネスマンらしい、ビジネスマンだった。


冗談ではなく、銀行マンや証券マンのように見られることも


少なくなかった。






そんな私が訪問する企業には


Webもメールもしたことがないところも多い時代だったため、


場合によっては、何かと頼りにされたこともあった。


MEさん(マスターEのこと、今後はよく使います)、
ネットで販売促進をするにはどうすれば効果的でしょう?


といった、マーケッティングにも関わる相談にも何度かのった。


































そういった相手企業の中には、


当然、担当者が女性というのもある。


それが20代半ばから後半くらいの年齢の女性ももちろんいた...。


人によっては、短い期間に何度も会う人がいるため、


気心が知れ、


仕事以外の時間にもお付き合いが生まれる場合がある。





Aさんは当時26歳、


渋谷にある人材派遣会社の事務所の責任者だった。




女性であり、その上責任のある立場であり、


しかも契約社員の管理という難しい仕事をしていた。


そのストレスはきっと私の想像より大きいものだったであろう...。






4・5回くらい仕事で会った頃だったか...。


Aさんはおもむろに話しかけます。

A:  MEさん。次に出張される予定はいつですか?

ME: 今は決まってませんが...。

A:  だったら、ここへ来る予定がなくても...電話いただけませんか...?

ME: えっ...。あ、はい。わかりました...。


そう言われて、


「どういうことですか?」


なんて聞くほど、私は野暮じゃない。




別に特別な意味があろうがなかろうが、


女性に恥をかかせるのは、私の主義に反する行為だ...。







それから6日後、


私は東京に居た。


急な用で、


ホテルも予約せずに出かけたのだ。


羽田には午後2時頃に到着した。





そしてその日の打ち合わせが終わったのは午後6時。


しかし次の日も同じ打ち合わせに出席しなければならない。




なにはともあれ、宿が必要である。


実は、いきなり当日、


東京で適切な価格で程度の良いビジネスホテルを見つけるのは至難の業だ!


だが、そこは出張の達人!


決していいホテルではないものの、


そういう臨時のときにも空いているホテルを知っている。


電話をかければ、案の定予約が取れた。






一安心した私は先日のAさんとの約束を思い出し、


いきなりのことで少々気が引けるものの連絡をしてみた。


さすがに驚いていた彼女だが、

A: じゃあ、7時半に新宿で待っています。


突然のことであったににもかかわらず、


私は彼女と2人きりで会うことになった。






そして待ち合わせ場所。


時間に余裕があった私は15分前にその場所に着いた。


が、彼女は既にそこに居た。


15分早く着いた私を見て彼女も少し驚いていた風であったが、


彼女自身も自分が待ち合わせ時間より早く着いていたことに気付き、


急に照れくさそうな顔になった。




一度行きたかった店があるんです。


彼女はそう言い、歩き出した。


彼女はとても楽しそうに


また、とても無邪気に見えた。






それは初めて見る彼女の表情だった...。






やはり仕事場では立場上の問題なのか、


まったく別人と思えるような、


そんな表情だった。







いつしか私は...


そんな彼女と2人で居ることに...


心地よさを感じている自分に気が付いていた...。







彼女に連れられた店では、


軽い食事と少しのカクテルを楽しみながら、


ちょっとプライベートな話題で盛り上がった。


そのときの彼女の笑顔は、


やはり、私を驚かせる程の、


素敵な女性のものになっていた。






しばらくして店を出た私たちは、


特に目的場所があるわけでもなく、


ゆっくりと歩き出した。







ついさっきまで正面にあった笑顔が、


今は私の左側にある。





視界からは外れるものの、


彼女の笑顔と、


彼女の存在は、


さっきより私に近い距離にある...。







ほんの少しだけ...


体を左に寄せれば...


肩と手が触れ合う...。


彼女も、


それを知っているような気がする...。










私は彼女の笑顔が見たくなったが、


そう思うたびに、


バカな話をしてしまう。


でも、信号待ちで立ち止まると、


何故だか必ず会話が途切れてしまう...。





















時間は午後10時30分。


2人は再び新宿駅にいた。




ME: 今日は急だったのにありがとう。楽しかったです。

A:  こちらこそ、ご馳走になってしまって...。

ME: じゃ、これでっ!

A:  あっ!ちょっと待って...ください...。







ME: ...どうかしました...?







A:  MEさんは東京の女は嫌いじゃないですか?







ME: えっ、そんなことないですよ。








A:  そう...ですか...あっ、すっすいません...へんなこと...



ME: いや、別に...でも、ちょっとビックリしたかな...ははっ。


















A:  今夜はどちらにお泊りなんですか?




ME: 中目黒にあるちょっと駅から遠い不便なホテルです。安いけどね。


A:  だっ、だったらそこ...キャンセルできますか?
























ME: それは...しないでおきましょう。まだ...。








A:  ごめんなさい。変なこと言って。変ですよね...急に...。








ME: いえいえ...。また、今度...一緒に食事しませんか?





A:  はいっ。是非誘ってくださいね。

ME: 必ず電話しますね。




A:  はい。今日はごめんなさい...。










ME: 何のことです?







A:  あっ、そうですね。じゃあ、ここで。








ME: 気をつけて。楽しかったです。

A:  こちらこそ、とっても美味しい食事でした。おやすみなさい...。

ME: おやすみなさい...。








冷静なふりをしていた私ですが...。


しばらくそこから動けない程、


私の心は揺れていました...。






あの時、





彼女の気持ちを受けていたら...





私はどうなっていたのでしょう...?




































な〜んて、









ウッソだピョ〜ンッ!!!!