間違い

１０年くらい前のことでした。

東京へ出張中のこと。

夕方５時のアポイント先の会社から連絡がありました。

内容は...急な都合で会えないということでした。

後々聞けば、担当者の身内に不幸があったらしいです。

とにかく、そうなった以上仕方がありません。

東京支社に出向くことも考えましたが、

時間も中途半端。

同じ部署のメンバーも出払っていました。

普段ならお付き合いもあるのですが、

たまたまその日は夜の約束もなかったので...

仕方ありません...。

仕事切り上げじゃーっ!!!!

どぅうわぁ〜っはっはっはーっ!!!!

さぁ〜て...っと...。

何しましょか...？

ところでその日は、

新富町にホテルを取っていました。

東京以外の人にはわかりにくいですね...

ん〜っと...そうですね...

有楽町や銀座に程近い場所です。

築地も近いです。

ということで、

とりあえずホテルにチェックイン。

まだ、午後５時前のことです。

さすがにそのままホテルでじっとしているのも辛いので、

付近をブラブラ歩きました。

足は特に決めていないのですが、

築地の方角へ...。

やがて、

左手に築地本願寺が見え、

そこを過ぎた辺りで...

一件の寿司屋を発見しました。

時間は５時４５分頃。

開店していました。

「...。」

んっと...

せっかく築地やし...

寿司でも食ってみるか...。

当時マスターＥはお金に困っていない時代。

常に財布の中には５万円以上入っているような生活でした。

(今では考えられないのでゅわ〜っ)

そうと決まればＧＯ!

暖簾を手で分け、

引き戸を『ガラガラ』っと開け中に入ります。

そこでマスターＥ...

直感で失敗に気がつきます...。

それは...

お客が誰一人もいない上に...

板前さんが２０人くらいいたからでした〜っ!!!!

それはそうです...。

まだ６時にもなってない。

ただ、そんなに高級店に見えなかったものの...

入り口に比べて、

店内の奥行きがスゴイったらありゃしないっ!!!!

やがて若い板前さん(修行中かな？)がやってきます。

マスターＥは平静を装いながら注文。

「上ください。」

板さんは、

「はいわかりました。お飲み物はいかがいたしましょう。」

マスターＥ

「ま...まだ行き先があるので酒はいいです。」

そりゃあそうでしょ！

そんな環境で１人で飲む気がしませんよ。

それにもともとマスターＥは１人で飲む人じゃないですし。

相変わらず店の調理場では忙しそうに大勢の板さんが働いています。

マスターＥは１人ポツンとカウンターに座っています。

なんかメッチャ居辛い感じです...。

やがて寿司がきます。

『上にぎり』

８カンありました。

詳しい内容は覚えていません。

酒も無いし...

１人やし...

気も休まれへんし...

ゆっくり味わうこともなく、

あっという間に食べました...。

３分もかかってなかったでしょう...。

そしてレジに。

４０００円

そう...１カン５００円。

３分かかってないから、

１分１３００円以上のお食事ですっ！

ご馳走様でしたーっ!!!!

「...。」

やめときゃよかった...。

結局その後、

新橋の吉野家で『牛丼大』を食べました...。

その方が旨かった気がします...。

マスターＥ...

小市民ですなーっ!!!!